
どうぶつの胆嚢粘液嚢腫 なんのことやらと思ったら、すぐに読みましょう !
どうぶつの胆嚢粘液嚢腫って ???
最近、ワンちゃんのおなかのエコー(超音波診断)を診る機会が多いのですが、とても増えている病気が ≪胆嚢粘液嚢腫≫ です。
なるべく難しい表現を避けて説明しますね。 難しくなったらごめんなさい。
胃がどのへんにあるか? そうです、ミゾオチの近くですね。 ワンちゃんで言うと、胃の少し前の所に肝臓があります。
肝臓の隣に胆嚢という胆汁がたまる風船みたいな袋があって、その袋の中にたまった胆汁がゼリー状になって、固まってしまう病気です。 エコーで見ると、≪キウイフルーツの断面≫に似ています。
胆嚢という袋は、胆汁を一時的にプールしておく所なのですが、胆汁は常に必要な時に膵液と一緒に腸管に流れ出るシステムがあって、淀みなくいつも綺麗な胆汁があるのが胆嚢の理想像なんですね。
ところが、ゼリーみたいに固まってしまい、胆汁の流れが悪くなって流出が出来なくなる。 ひどくなると風船みたいな袋が腐って穴が開く。 すなわち、破裂です。
胆嚢が破裂すると、本当に可愛そうな位すごい事になります。 亡くなる事が多いですね。
この病気の原因は? 諸説ありますが、私は体質だと思います。 自分の体で作られる胆汁が、サラッとしていないで、ドロッドロッとしているので、詰まりやすいのではないかと思っています。
その理由は? あとで詳しく言います。
治療は? その①
昔は、少しでも病気の進行を遅くしましょう。 という目的で、内服薬をお出ししていました。 正直、その方法で完治したケースはほとんどありません。 しかし、飼主様が内科的に治療して下さい、と希望された場合は、このお薬での治療を定期的にモニター検査をしながら続けます。
最近、肝臓に良い動物用サプリメントも出てきました。 良いデータも発表されていますので、一生懸命になさりたい飼主様には御説明して処方しています。 感触は良いですね。
治療は? その② 最近のトピックスは
実は、この事がお伝えしたくて、この文章を書いています。
今まで、あんまり肝臓の手術は良いイメージがなくて、好きな項目では無かったのですが、最近、手に入れた≪特殊なメス≫の手術によって、かなり良い感触を得ています。
胆嚢は炎症が起きると隣の肝臓に強く強くくっついて、そこを丁寧に剥がす手術は難しいのです。
今までは肝臓を傷つけたりしながらもなんとか乗り切ってきたのですが、≪特殊なメス≫を手に入れてから、かなり楽になり、綺麗な手術が出来るようになりました。
すなわち、ワンちゃんへの傷害も少なくてすむ方法を手にする事が出来ました。 先日の手術の子も手術直後からピンピンしていましたから、痛みも少なかったのだと思います。
文献データによると、術後死亡が多い手術にこの病気の手術がとりあげられていますから、この“ピンピンさ”はとても喜ばしい事ですよね。
なんでこの病気の原因が体質なの?
私は、肝臓病の専門家ではありませんが、関連の文献をたくさん読ませて頂いていますと、原因については色んな事が書いてあります。 たとえば、代表的なものは、ホルモン異常が素因にあるとか、脂肪の分解や吸収が悪いとか、食べ物が悪いとか、胆汁の流れを妨害する炎症が胆汁の通り道に出来たとか、本当に色々あります。
これらの理由は、それぞれ納得できるものが多く、それぞれが正しいものと評価されているものだと思います。
私は、文献の中から術後の経過・再発率に注目して考えてみました。 また、当院に来られている、腫瘍外科を中心にコンサルタントをされている外科医の先生の意見を聞いてみましても、術後の再発率は、術後の治療継続内容によってかなり異なる、とおっしゃっていました。
胆嚢を取って再発? そうです、再発と言っても胆嚢粘液嚢腫になるわけではなく、肝臓内から生産されてくるドロッとした胆汁が残っている細い管に詰まってしまうのです。
そして、黄疸(からだが黄色くなる病気の一つです)になって、飼主様が油断しているうちに急変してしまい、急なお別れとなる事も多いのです。
そのような訳で、ドロッとした胆汁は体質で作られているのではないか、という意見を私は現時点では支持しています。
ですから、最近は、ドロッをサラッとした胆汁に変える≪術後ケアー≫をお勧めしています。
先ほども言いましたが、良い感触ですね。
お伝えしたい事
1) 胆嚢がキウイの断面みたいになる【胆嚢粘液嚢腫】は、黄疸が起きる前の中等度のレベルの時期までに、≪特殊なメス≫を使って手術したあげた方が良い。
この特殊なメスを使った手術だと、痛みが少ない良い結果をもたらしそうだ。
2) 手術前から出来たらサプリメントを飲んだ方が良いと思う。 もちろん、手術後もサプリメントを飲んでいた方が急死を予防できます。
3) この病気は、体質による要因が多いと思う。 内服薬だけでのコントロールは危険な事が多いので、よくよく専門の先生とお話をされた方が良いと思う。
などが、お伝えしたい内容でした。
皆さんのワンちゃんんが最悪の状態にならない前に、御相談下さい。 ただし、時期が進んでいる悪化した状態では、手術はお勧めしません。 念のため御了承下さい。













